ラクトバチルス菌(乳酸菌)サプリとは?基礎知識から選び方まで徹底解説
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健康維持や体内バランスを整えるサポートとして注目されている乳酸菌の一種である「ラクトバチルス菌(Lactobacillus)」。腸内環境だけでなく、全身のコンディションと深く関わることから、日常的なケアに取り入れる人が増えています。
本記事では、ラクトバチルス菌の基礎知識から、サプリメントとしての活用法、選び方のポイントまでを詳しく解説します。
ラクトバチルス菌とは?

ラクトバチルス菌は、ヒトや動物の体内や発酵食品などに存在する「乳酸菌」の一種です。一般的には善玉菌に分類されており、糖を分解して乳酸を産生する働きを持っています。
特に、ヒト由来のラクトバチルス菌は、ヒトの体内環境に適応しやすいとされており、腸内だけでなく皮膚やデリケートゾーンなど、pHバランスが重要なエリアにも関与することが知られています。
ラクトバチルス菌の働きと特徴

ラクトバチルス菌は、私たちの体の中に自然に存在する善玉菌の一種です。
主に腸内や口腔、皮膚、デリケートゾーンなどに分布し、それぞれの場所で環境を整える役割を果たしています。
特に体内のバランス維持に重要とされており、近年では健康維持や美容をサポートする目的で注目されています。
主な働き
ラクトバチルス菌には、以下のような働きが期待されています。
✔️ 乳酸の産生
糖を分解して乳酸を作り出し、周囲の環境を弱酸性に保ちます。これにより、悪玉菌や雑菌の繁殖を抑える土壌を作ります。
✔️菌バランスの調整
腸内フローラやデリケートゾーンの菌バランスを整えるサポートをすることで、心地よい状態を保つ助けになります。
✔️pH環境の維持
特定のエリアで弱酸性を保つことが、トラブルの予防や快適さの維持につながるとされています。
多様な菌種が存在
ラクトバチルス菌には複数の菌種(株)が存在し、それぞれに特徴があります。
代表的なものには以下のような種類があります。
L. acidophilus(アシドフィルス菌)
腸内環境を整えるサポート役として知られる菌株。
L. rhamnosus(ラムノサス菌)
腸と皮膚のケア、環境変化への適応サポートなどに関与するとされます。
L. crispatus(クリスパータス菌)
主にデリケートゾーンに存在し、女性のバランスケアで重要とされています。
これらの菌株は、用途や目的に応じてサプリや食品に使い分けられることが一般的です。
継続的な存在がカギ
ラクトバチルス菌は、一度取り入れればずっと体内に定着するというわけではありません。
生活習慣や年齢、ストレス、抗生物質の影響などで数が減ることがあるため、日々のケアとして継続的に補うことが推奨されるケースもあります。
このように、ラクトバチルス菌は環境を整えるだけでなく、その状態を維持するために欠かせない“土台づくり”の役割を担っています。
ラクトバチルス菌と女性のバランスケア

ラクトバチルス菌は、女性の体内環境に深く関わる乳酸菌の一種です。
中でも注目されているのが、「デリケートゾーンのバランスを保つサポート役」としての働きです。
デリケートゾーンの環境は“弱酸性”が理想
女性のデリケートゾーンは、通常pH3.5〜4.5の弱酸性を保っている状態が理想とされています。この弱酸性の環境は、雑菌の増殖を抑えたり、肌のトラブルを起こしにくくしたりする役割を担っています。
この環境を支えているのが、ラクトバチルス菌をはじめとする「善玉菌」です。特にラクトバチルス・クリスパータスやラクトバチルス・ジェンセニーなどの菌種は、デリケートゾーンに存在する主要な善玉菌として知られています。
年齢や生活習慣で乱れやすくなる理由
こうした菌バランスは、加齢やホルモンバランスの変化、ストレス、過度な洗浄などによって崩れやすいと言われています。
以下のような状況が続くと、ラクトバチルス菌が減少し、pH値が中性~アルカリ性に傾きやすくなる傾向があります。
・不規則な生活習慣
・睡眠不足や疲労の蓄積
・免疫力の低下
・ボディソープなどでの過度な洗浄
・食生活の乱れ
菌バランスが乱れると、かゆみやムレ、ニオイなどの不快感に繋がることもあるため、日頃のケアが重要とされています。
内側からのサポートが注目される理由
これまでは、外用アイテムや洗浄剤など“外側からのケア”が主流でしたが、近年は「体内から整える」というアプローチが広まりつつあります。
サプリメントでラクトバチルス菌を取り入れることで、食事だけでは摂りにくい善玉菌を補うことができ、バランスケアの選択肢の一つとして活用されています。
このように、ラクトバチルス菌は女性の健やかな体内環境を支えるうえで欠かせない存在であり、日常的なケアにおいても重要な位置づけとなっています。
ラクトバチルス菌サプリの活用メリット

ラクトバチルス菌をサプリメントで摂取することには、以下のようなメリットが挙げられます。
✔️ 継続的に摂取しやすい
日々の食生活で十分な量を摂取するのは難しい場合が多いため、手軽なカプセルやタブレット形状のサプリが便利です。
✔️ 特定の菌株に絞った設計
ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・クリスパータスなど、菌株が明記されているものは、目的に合わせた摂取がしやすくなります。
✔️ 配合設計の最適化
オリゴ糖や食物繊維(プレバイオティクス)を同時配合することで、ラクトバチルス菌の活性をサポートする設計もあります。
サプリ選びのポイント

| チェック項目 | 解説 |
|---|---|
| 菌株の明記 | 菌の種類だけでなく「株」まで記載があると、より信頼性が高まります。 |
| ヒト由来かどうか | ヒトの体に定着しやすいとされる“ヒト由来”が人気です。 |
| プレバイオティクスの有無 | ラクトバチルス菌のエサとなるオリゴ糖などが含まれているか。 |
| 保存方法 | 常温保存できるか、冷蔵が必要かを確認しましょう。 |
| 継続しやすさ | 粒の大きさや匂い、飲みやすさも選定基準の一つです。 |
サプリ摂取時の注意点

ラクトバチルス菌サプリを摂取する際には、以下の点に留意してください。
✔️ 1日の摂取目安量を守る
過剰摂取は効果を高めるわけではなく、消化不良を起こす場合もあります。
✔️ 薬との併用は専門家に確認を
持病がある場合や処方薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談することが重要です。
✔️ 保管方法に注意
高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所に保管することで、品質を保てます。
まとめ
ラクトバチルス菌は、体内の菌バランスを整えることを目的としたケアにおいて、注目されている乳酸菌の一種です。サプリメントとしての摂取は、日々の食生活やケア方法を補う手段のひとつとして、多くの人に選ばれています。
商品選びの際には、菌株の種類や配合成分、続けやすさなどをチェックし、自分に合ったものを選ぶことが大切です。継続して摂取することで、毎日のコンディションサポートに役立つ可能性があります。
医師監修
宗田聡先生(医学博士・産婦人科・産業医)
広尾レディース院長/茨城県立医療大学客員教授