ラクトバチルス菌が喜ぶ食べ物とは?毎日の食事で整えるインナーケア

ラクトバチルス菌が喜ぶ食べ物とは?毎日の食事で整えるインナーケア

私たちの身体は、日々の食事や習慣によって少しずつ変化していきます。肌や髪と同じように、体の内側にあるバランスも、知らず知らずのうちに影響を受けているのです。

最近では、「ラクトバチルス菌」という言葉を見聞きする機会も増えました。腸内や口の中だけでなく、実はデリケートな部分の環境にも関係しているこの菌は、年齢や季節の変化に敏感な私たちにとって、頼れる存在かもしれません。

本コラムでは、ラクトバチルス菌の特徴や働き、そして日々の食事でどのようにサポートできるのかを、わかりやすくご紹介していきます。

 

ラクトバチルス菌とは?

ラクトバチルス菌は、乳酸菌の一種で、糖を分解して乳酸をつくるという特徴があります。乳酸は、菌がすみやすい環境をつくるうえで欠かせない成分のひとつ。私たちの腸内をはじめ、肌、口腔、そしてデリケートゾーンなど、さまざまな場所に存在しています。

この菌が健やかに保たれていると、外からの刺激に過敏になりにくく、自分らしいリズムを整えやすくなると言われています。

ただし、ストレス・生活習慣の乱れ・抗生物質の使用などによって、ラクトバチルス菌の数は変動します。だからこそ、日々の暮らしの中で“減らさない・育てる”意識を持つことが大切になってくるのです。

 

ラクトバチルス菌を増やすには「食べ物」から

ラクトバチルス菌を意識したケアというと、真っ先に思い浮かぶのはサプリメントかもしれません。でも、実はもっと身近な「食べ物」から整えることができます。

しかもそれは、難しいことではありません。
毎日の食事の中で、ラクトバチルス菌を“届ける”食品や、“育てる”ための成分を取り入れていくだけで、内側のバランスづくりに繋がっていきます。

そのポイントは大きく2つ。

✔ ラクトバチルス菌を含む食品を選ぶこと
✔ 菌のはたらきをサポートする食材を組み合わせること

一度に完璧を目指す必要はありません。
まずはできる範囲で、食卓にプラスしてみることから始めてみましょう。

続けることがインナーケアの鍵。デリケートなバランスを食事からサポート

ラクトバチルス菌を意識した食生活は、1日や2日で劇的な変化を感じられるものではありません。でも、無理なく続けていくことで、体の調子や心地よさに変化を感じる瞬間が増えていくこともあります。

たとえばこんな取り入れ方があります
・朝食に、プレーンヨーグルトにはちみつを少し加える
・小腹が空いたときは、ナッツやドライフルーツをおやつ代わりに
・夕食に、ぬか漬けや味噌汁を添えて発酵の力をプラスする

こうした習慣を積み重ねることで、ラクトバチルス菌がすみやすい環境を自然と整えていくことができます。

また、この菌のはたらきは腸内に限りません。デリケートゾーンのバランスとも深く関わっているとされ、pHの安定や潤いの維持などに間接的なサポートが期待されているのです。

もちろん個人差はありますが、体の内側から整えていくという考え方は、どの年代の方にも取り入れやすい方法といえるでしょう。

 

ラクトバチルス菌と相性のよい食品リスト

ここでは、ラクトバチルス菌を含んだ食品や、その活動を助ける栄養素を多く含む食材をカテゴリ別にご紹介します。

食品カテゴリ 内容例 特徴
発酵食品 ヨーグルト
ぬか漬け
味噌
キムチ
納豆など
菌そのものが含まれている食品もあり、食事に取り入れやすい。加熱を避けることで、菌の特徴を活かしやすい。
食物繊維 ごぼう
アボカド
海藻
バナナ
さつまいもなど
善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える手助けに。毎日の食事で自然に摂取しやすい。
オリゴ糖 玉ねぎ
大豆
にんにく
はちみつ
アスパラガスなど
ラクトバチルス菌などの菌をサポートする成分として知られ、日常の食事に取り入れやすい。
ポリフェノール 緑茶
赤ワイン
カカオ
ブルーベリーなど
抗酸化成分のひとつで、食事から手軽に取り入れることで体内バランスを意識しやすくなる。

 

発酵食品は、乳酸菌などを含む食品のひとつとして知られています。朝食にヨーグルト、夕食に味噌汁や漬物などを加えてみると、食事のバリエーションも広がります。
また、ラクトバチルス菌は、腸内をはじめとした体内環境との関係性が注目されている菌のひとつ。単体で活動するというよりも、周囲の環境とのバランスが大切と考えられています。そうした観点から、食物繊維やオリゴ糖といった食材を組み合わせるのもひとつの工夫です。

「これを食べなきゃ」と頑張りすぎるのではなく、日々の食事に少しずつ取り入れていくことが、無理のない継続につながります。今日の献立に“発酵食品や植物由来の食材”を加えてみる。そんな気軽なスタンスで取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

サプリメントとの併用も選択肢のひとつ

食事からの摂取が基本とはいえ、忙しい日が続くと「今日は何も意識できなかった…」という日もあるものです。そんなときに便利なのがサプリメント。足りない栄養を“補う”という位置づけで活用するのが良いでしょう。

食品 → 自然な形で日々のサポートに
サプリ → 忙しいときや食事で足りない分を補助

もちろん、医薬品のような効果・効能をうたうものではありませんが、日常の中で意識しづらい部分をサポートしてくれる手段として、活用している方も増えています。

ご自身のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲での併用を検討してみてください。


まとめ:体と心の声に耳を傾けて、できることから始めてみよう

ラクトバチルス菌は、私たちの身体の中で、目には見えないけれど大切な役割を担っています。食事や生活習慣の中で意識することで、内側からのリズムが整ってくる感覚を、少しずつ実感できるようになるかもしれません。

大切なのは、続けられること。
「今日は味噌汁を足してみようかな」「今週はヨーグルトを多めに買っておこう」そんなちょっとした選択が、未来の自分の心地よさにつながる第一歩です。

まずは無理のない範囲で、“菌がよろこぶ食事”を日々の食卓に取り入れてみませんか。

 

医師監修

宗田聡先生(医学博士・産婦人科・産業医)
広尾レディース院長/茨城県立医療大学客員教授

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