フェムケアとは？心地よい毎日を支える新しい習慣

2025年11月6日

近年よく耳にするようになった「フェムケア」という言葉。雑誌やテレビ、SNSなどで見聞きする機会も増えていますが、実際にどのような意味を持ち、私たちの暮らしにどのように役立つものなのでしょうか。

ここでは、フェムケアの基本から、実際の取り入れ方、そして長く付き合っていくための工夫までをわかりやすく解説していきます。

フェムケアとは？

「フェムケア」という言葉は、“feminine（フェミニン）”と“care（ケア）”を組み合わせた造語です。主に女性特有の体やライフステージに寄り添ったケアを指します。生理や更年期、妊娠・出産などのライフイベントだけでなく、日々の心と体の変化に向き合うためのケアも含まれます。

従来は「デリケートゾーンケア」と呼ばれることが多かった分野ですが、フェムケアという言葉が広がったことで、「女性の体全体をいたわるケア」という前向きなイメージが強まりました。単に不調を防ぐだけではなく、自分の心地よさや生活の質を高めるための習慣として注目されています。

ここ数年でフェムケアが話題となっている背景には、社会全体の意識変化があります。これまで話題にしづらかったデリケートな悩みをオープンに語れるようになり、情報や商品が手に入りやすくなったことが大きな要因です。

また、医療や研究の進歩により「女性の体の変化に合わせたケア」がより重要視されるようになりました。さらに健康寿命の延伸やウェルネス志向の高まりも、フェムケアが注目される理由のひとつです。

フェムケアは単に体を清潔に保つだけのケアではありません。日常に取り入れることで、次のようなメリットが期待できます。

使うメリット	理由
快適さの向上	乾燥やかゆみなどの不快感を和らげ、毎日を心地よく過ごせます。
自分への理解が深まる	体のリズムや変化に気づきやすくなり、無理のない生活が送りやすくなります。
前向きな気持ち	セルフケアの時間を持つことで、気持ちが落ち着き、自分を大切にする意識が高まります。

フェムケアとひとことで言っても、その範囲は広いものです。ここでは代表的なケアの種類をご紹介します。

✔️デリケートゾーンのケア

もっとも基本となるのがデリケートゾーン専用のケアです。一般的な石けんやボディソープは刺激が強すぎる場合があるため、専用の洗浄料や保湿アイテムを使うことで、やさしく清潔に保つことができます。

✔️インナーケア

体の内側から整えるケアもフェムケアの大切な要素です。ハーブティーやサプリメント、発酵食品などを取り入れ、体のリズムをサポートする方法があります。

✔️ライフステージに合わせたケア

10代から50代以降まで、女性の体は大きく変化していきます。その時々に合ったケアを知り、取り入れることが、健やかに過ごすためのポイントです。

✔️メンタルケア

心と体は密接に結びついています。アロマやリラックスできる習慣を取り入れることもフェムケアの一部。小さな工夫が心地よさにつながります。

実際にフェムケアを生活に取り入れるときには、以下のような点に気をつけると良いでしょう。

ボディ用や顔用と同じように、デリケートゾーンには専用のアイテムを使うことが大切です。成分や使い心地を確認し、自分に合ったものを選びましょう。

最初からたくさん取り入れようとすると続きません。週に数回から、あるいは気になるタイミングで取り入れるなど、無理なく続けられる習慣をつくることがポイントです。

年齢や季節、生活環境によって必要なケアは変わります。時々見直して、そのときに合った方法を選びましょう。

商品選びの際は、以下の点を意識してみてください。

✔️成分がやさしいかどうか

✔️香りや使用感が自分に合っているか

✔️続けやすい価格かどうか

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宗田聡先生（医学博士・産婦人科・産業医）
広尾レディース院長/茨城県立医療大学客員教授